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見覚えのある整った爪。
長く節ばった指はリカちゃんだ。
そっと顔を上げれば、悪戯なその瞳とぶつかる。
「兎丸」
「…え?」
「返事は?」
咄嗟に出欠をとっていたことを思い出す。
「は、はい!」
慌てて答えれば、口角だけを上げたリカちゃんが俺の席を過ぎてゆく。
リカちゃんの手が置かれていたところに、見覚えのない紙。
綺麗に畳まれた正方形のそれを開けば整った字で
“3分後に出てこい”と一行だけ書かれていた。
慌ててそれをポケットに隠し、時間が過ぎるのを待つ。
HRを終えたリカちゃんが出て行って3分数える。
教室を出た俺のスマホが震えた。
『そのまま階段上がって』
言われた通り上がっていった階段の先には、壁に凭れたリカちゃんがいた。
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