アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
203
-
「駄目だなぁ…未成年に酒なんか勧めちゃ」
柔らかな口調で言うけれど、親父に向けられる視線は鋭く冷たい。
「俺が丹精込めて育ててんだから可愛くて当たり前だろ。
汚い手で触ってんじゃねぇよ。潰すぞ」
俺の肩に回されていた手をリカちゃんが捻りあげる。
痛みに慄く親父を仲間の方へ放ったリカちゃんは、そのまま俺の手を引き、立たせた。
「大丈夫か?」
しっかりと俺の肩を払うのも忘れない。
その行動が更に相手を怒らせるのだけれど、そんなのリカちゃんが気にするわけない。
支えられ、体勢を整えた親父が睨みつけるようにリカちゃんを見る。
「な、なんだお前は!」
「オッサンには関係ねぇな」
リカちゃんに相手にもされない親父は顔を真っ赤にして怒りを露わにする。
「お前…こんな事していいと思ってるのか?!絶対に許さんからな!」
「へぇ。…だ、そうだけど。どうなの先生」
扉に向かい振り返って問いかけるリカちゃん。
なんだ?と俺も親父も不思議に思っていると僅かに空いた隙間からヌッと桃ちゃんが顔を出した。
「ウサギちゃーん!」と、満面の笑みで手を振るその姿は、この状況と正反対だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
203 / 1234