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「俺さ、欲しいもんがあんだけど」
いきなり始まったリカちゃんのおねだりに、俺は何を言ってんだ?と首を傾げる。
「シガレットケースだろ?それなら家に、」
「違う。それも欲しいけど、もっと欲しいのがある」
俺の指に口付けたまま言葉を紡ぐリカちゃんの表情は、真剣そのものだ。
「お前のね、ここが欲しい」
口付けられていた指に今度は強く…痛みが残るほどに強く吸い付く。
そこには薄っすらと…けれど確かに赤い花が咲いた。
「ここって…。」
「本物を贈る時までの…予約、かな」
「……すぐ消えんじゃん」
「何回でも付けてやるから安心しろよ」
そうやって悪戯に笑いながらも俺を幸せにしてくれる。
こんなに俺を愛してくれる人は、世界中探してもこの人以外にいない。
「お前の未来、全部俺に寄越せよ」
「未来って…」
「ちなみにYes以外は受け付けないから。
もちろん途中でキャンセルすんのも認めない」
それって俺に拒否権なんか無いってことだろ。
「頷けば一生骨まで可愛がってやるよ?」
俺の手のひらに頬を擦り寄せ、まるで甘えるような仕草をとる。けれど言ってることは全然可愛くない。
「そんなの…嫌だつっても無駄なんだろ?
仕方ないからくれてやるよ、バカ」
「ハッ…可愛くねぇヤツ」
「そんな俺が好きで仕方ないくせに」
そう答える俺も、やっぱり可愛くはなれない。
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