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翌朝、なんとなく早い時間に目が覚めてしまった俺は二度寝する気にもならず温泉に入ることにした。
まだ寝てるみんなを起こさないように部屋を抜け出し、浴場へ向かう。
朝1番の風呂はすごく清々しい。
空気はまだ少し冷たいけれど、陽の光を浴びて水面がキラキラと輝いている。
こんな時間だから俺1人だと思っていたのに、湯気の向こうに白い影が見えた。
薄っすらと浮かぶその姿。
淡い茶色の髪……穏やかな横顔…桃ちゃんだ。
俺の足音に気づいた桃ちゃんが振り返る。
「ウサギちゃん?…………おはよう、早いのね」
優しい微笑みはいつもと変わらない。
それなのに、どこかいつもと違って見える。
「ふふっ。どうしたの?風邪ひくから早く入ってらっしゃい。」
背中を向けたままだった桃ちゃんが、ゆっくりと身体ごとこちらを向く。
「…………桃ちゃん」
いつも笑っていて、いつも明るくて、いつも俺を励ましてくれた。
そんな彼の、秘密に触れてしまった。
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