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「もしかして。
昨日の告白無かったことにしようとしてません?」
立ち止まった歩ちゃんがあたしの手首を掴む。
痛いほど込められた力は、きっと歩ちゃんの怒りを表しているのだろう。
「無かったことになんかさせねぇ」
鋭いその目は、高校生とは思えないほどに雄々しい。
あまりにも真っ直ぐ過ぎて見ていられない。
まるで自分の犯した過ちを忘れるなと言われているような錯覚に陥る。
「やめて」
絞り出すような声は弱々しく、それでいて懇願するように悲痛になってしまった。
「それ以上言うなら、歩ちゃんとはもう会わない」
「なんで、」
「歩ちゃんとあたしじゃ違いすぎる」
今ならまだ大丈夫。
その真剣な視線も、拗ねたような仕草も。
まだ可愛い年下の男の子で済ませられる。
「……高校生は恋愛対象外に決まってるじゃない」
離された手首が熱い。
すれ違う際に感じた匂いが身体に残る。
『桃さん』そう呼ぶ声はとても心地いい。
子供だと思っていた彼が男の顔をした時に受けた衝撃。
このままじゃ惹かれていく事は容易に想像がつく。
それは…駄目だと自分が1番知っている。
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