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『そもそもお前は俺のことどう思ってるんだよ』
「それは、」
『まさかセフレだと思ってねぇよな?』
それはありえないだろ。なんでただのセフ…そういう事するだけの相手に鍵なんて渡すんだよ。
なぜそこで恋人という言葉が出てこないのか、リカちゃんの頭の中は読めない。
っつーか、普段からぶっ飛んでるリカちゃんの考えをわかろうとしても無理だ。
「そうじゃなくて…その、ちゃんとわかってる…けど」
『じゃあ何か言ってみて』
「それ今言わなくてもいいだろ」
こうやって俺をからかってるのはわかってる。
言わせたがりのリカちゃんだから意地悪して困る俺を見たいだけだ。
『全然わかんねぇ』
「嘘つけ!!」
『だから嘘はつかないって言ってんだろ』
声の向こうでキンと金属音が聞こえ、少しして息を吐き出したのを感じた。タバコなんて吸って余裕たっぷりじゃねぇかよ。
『慧君言って』
得意の低音猫撫で声。
吐息が無い分、いつもよりマシだが…それでも身体がズクンと疼く。
「い……言え、ない」
『なんで?』
「恥ずかしいだろそんなの」
部屋の中だし、外に聞こえることはないだろうけれど万が一ってもんがある。
もし恒兄ちゃんに聞かれたなら俺は恥ずかしくて明日から顔が見れなくなる。
さっきの会話ですら思い出すだけで照れんのに…これ以上は無理だ。
「もういいだろ?」
『駄目。言うまで切らない』
「っ!!帰ったら言うから…今は無理だって」
俺が声を潜めていることに気付いているはずのリカちゃん。それなのに一向にやめてくれそうにない。
『今この場で聞きたい。
俺はお前のなに?』
聞きたいだなんてお願いのように聞こえるが、実際は聞かせろと言っているようなものだ。
どんだけしつこいんだよ。
「こ、恋人…に決まってんだろ」
観念して…でも、ちょっと悔しいから小さな声で早口で言う。
それに対するリカちゃんの返事は、
『慧君……それ不正解』
ため息というオプションまで付いたものだった。
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