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2日目。
何もすることのない俺は部屋でだらだら過ごし、スマホを眺めるだけ。
時折送られてくるリカちゃんからのLINEに時間を空けて返した。
暇だ。
すっげぇ暇。
もう帰っちゃだめかな…でもって明日の夜また来ればいいんじゃないか。
俺の家と実家はそう遠くない。
それなのに1人暮らししてるって時点で家族関係は破綻してると思う。
本当は明日の飯だって行きたくない。
「あー……退屈」
退屈だからちょっと気になって関西への行き方を調べてみた。新幹線で3時間弱…思っていたより近い。
いっそのこと今から行くか?歩に聞けば場所は教えてくれるだろうし。
…なんて考えて自分の痛さにヘコむ。
行ってどうする。「元気だせよ」って言って帰るのか?
そんなの意味不明すぎるだろ。
暇だとこうやってウダウダ考えて結局何がしたいのかわからなくなるんだ。
せっかく誰もいないんだから家の中でも見て回ろうと立ち上がる。
2階には俺のいた部屋の他に3部屋。
そのうち1つは恒兄ちゃんの部屋だから、それを飛ばして奥の部屋に入る。
そこは書斎のようで、壁一面にギッシリと本が並べてある。漫画なんて1冊もない難しい本ばかり。
見てるだけで頭が痛くなりそうな本は父さんの、そして恒兄ちゃんの趣味だろう。
「マジで話合いそうにねぇよ。
明日は何の話すればいいんだよ…」
全く興味の無い俺は、1周した後すぐ部屋を出る。
残る1部屋の前に立つ。
ここに入るのは何年振りだろう……。
星兄ちゃんの部屋。
あの事故以来、使われなくなった部屋。
その扉を開く。
部屋の隅に大きなベッド。
綺麗に整頓された本棚に、同じく綺麗なままの机。
無駄な物の無い…部屋。
何も変わってない。
不自然なほど、あの日のままの部屋。
その状態を保たれているような部屋。
俺は本棚に向かいあって指を滑らせる。
上から順にたどっていき、その指が止まる。
『卒業アルバム』
星兄ちゃん本人は受け取れなかったソレ。
誰かが大事にしまっていただろう厚みと重みを感じるソレ。
ゆっくり開くきページを捲れば……やっぱりいた。
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