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俺の中のリカちゃんは笑っていて。
確かに最近は考え込む姿もあったけれど、こんな顔は見たことない。
いつも自信満々で偉そうで意地悪で
けれど目があえば蕩けるように甘く笑ってくれる。
意地悪をされた後はたくさんの「好き」をくれるし、不安になれば全身で包み込んでくれる。
俺の前を歩いて「こっちにおいで」と教えてくれる。
俺が間違えば元の場所まで一緒に戻って考えてくれる。
俺が嬉しい時はリカちゃんも笑っていて
俺が悲しい時はリカちゃんは黙って傍にいてくれる。
じゃあ俺は?
俺はリカちゃんに何ができる?
何をすればリカちゃんの隣にいれるんだろう。
一緒にいたいと言うだけじゃなく、いる為に出来ることってなんだろう。
そんな難しいこと俺にはわからない。
一緒にいたいなら、いればいい。
リカちゃん以外いらない。
リカちゃんがいればそれでいい。
母さんに捨てられ、父さんに見放され、何もない俺を選んでくれた人。
今の俺は、どんな時もどんな状況でもリカちゃんといる為の選択肢を選ぶ。
それが正しいと思った。
その気持ちだけあれば、きっといつまでも一緒にいられる。
**
卒業アルバムの最後のページ。そこから1枚の写真が落ちる。
肩を組んで並ぶ4人の姿が写った写真。
1番小さいのが桃ちゃん。この頃から美容に気遣ってるのが写真映りを見るだけでわかる。
その隣の大きな人が美馬さん。やっぱり短髪で凛々しくて、頼りになりそう。
美馬さんの反対端。偉そうに肩眉を上げて笑うのがリカちゃん。
そしてみんなを纏めるように肩を組む星兄ちゃん。
リカちゃんの隣にいるのが自然で、どの写真でも2人は一緒………星兄ちゃんがいなくなるその時までは。
もし星兄ちゃんがいたら、どうしたらいいか教えてくれるのに。
その写真をポケットに忍ばせ、俺はアルバムを奥に隠した。
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