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「んっと。どこまで話したかしら?」
「歩が金髪になったとこまで。それぐらい覚えとけよ」
「そうそう。金髪も悪くないの。でも一応高校生でしょ?いくら校則が緩いからってダメだと思うのよね」
別に髪の色で何か言われたりはしないけど、歩は元々の素行が良くないから目は付けられそうだ。
リカちゃんも同じことを思ったらしく「あぁ」とだけ頷く。
「でね、なんで金髪にしたのか聞いてみたの。そしたら教えてくれなくて。これって反抗期に違いないわよね?」
なんでそれが反抗期に結び付くのかわからない。が、桃ちゃんは真剣な顔でリカちゃんを見る。
「反抗期…ってあいつ年中反抗期だろ。なに?お前もう歩に飽きられたの??」
ニヤっと笑いながらリカちゃんがからかう。すると、桃ちゃんは目を見開き口元を押さえた。
「あ……あり得る…」
「桃?」
「あり得るわ!!あの歩ちゃんだもの!リカの弟なんだから周りに下僕を侍らしてるのよ!!アレね、釣った魚には餌をやらないタイプなのね!!」
「ねぇよ。俺は侍らしたこともないし、餌も与え続けるタイプだ」
「………それもそうねぇ」
「すっげぇ可愛がって最後に美味しく戴くんだよ」
「やだぁ!!なんだか素敵っ!」
「ってそうじゃないだろ!!」
俺はとうとう我慢できなくなり、2人の間に割って入った。2人の視線が俺に向く。
「さっきから何の話してんの?歩の金髪なら俺も今日見たけど、本人は気に入ってなかったみたいだったぞ」
あんまり見るなと嫌そうにしていた歩。じゃあ何でしたんだ?と聞いても教えてくれなかった。
「あの歩が金髪にするなんて絶対理由があるんだよ!言っとくけど歩の髪型なんて中学から変わってないんだからな!」
「……それはそれでどうなのかしら」
桃ちゃんが少し不服そうな、よくわからない顔をする。
フゥ…と最後の一吸いを終えたリカちゃんがタバコを揉み消し、口を開いた。
「あいつが何かをするのは十中八九お前が原因だろ。最後に黒髪の歩と会ったとき何かなかったのか?」
「何かって普通に食事しただけよ。仕事帰りだったからレストラン行って軽くお話して終わり。
少し言い合いにはなったけどそんなのいつもの事よ」
「言い合いねぇ…多分それが原因だろ。どんな話したか思い出せよ」
宙を見ながら桃ちゃんがその日の話を始める。
聞き始めて数分…歩が金髪にした理由がわかった俺とリカちゃんは「聞くんじゃなかった」と顔を見合わせ、ため息をついたのだった。
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