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落ち着いて
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「智哉落ち着いて、なっ、俺、何もしないから」
「嫌っ、嘘だ!来ないでください、お願いですから!」
智哉はなかなか落ち着いてくれない。
智哉は相変わらずパニック状態だ。
捕まえたいのに捕まえられない。
…何とかして落ち着かせないと。
でないと智哉が……
「智哉逃げないで、お願いだから」
「い、やだ、嫌だ嫌だあぁ!!」
「智哉!」
このままじゃ、ますます悪くなる一方だ。
これじゃあ、なんの意味もない。
智哉の悲痛な拒絶する叫び。
ポロポロと涙を流し怯えていて、それで目が揺らいでいて…。
…それが、俺にはもう耐えられない。
だから、俺はもう全力で智哉を追いかけて、逃げないように部屋の隅に追い詰めた。
「や、だぁ…っく…うぅ……こ、ないでぇ……」
「智哉」
手を智哉に近づけるとビクッて反応して、怯えて震えている。
「ごめ…さ、ごめんなさ、いごめんなさいごめんなさいごめんなさい━━━━」
智哉はいきなり謝り始めた。
ごめんなさい、てずっと泣きながら連呼し、謝っている。
俺はこのさっきから感じる苦しさと智哉の謝罪の不思議さで胸がいっぱいだ。
「智哉しっかりしろ、大丈夫だから、智哉」
俺はそう言いながら智哉の肩に手を置いた。
でも直ぐに智哉の肩においた手は、智哉自身によって振り払われる。
「ッ!ヤァッ!…ご、めんなさいごめんなさいごめんなさい、もうしませんから、 もう迷惑、かけ、ま、せんから……ごめんな…さっ!…」
…どんなに優しく、落ち着かせるように言っても智哉に全く効かない。
どうやっても智哉に届かない。
落ち着かせたくて、気をたしかにしてほしくて…なのにそれを俺にはできない。
悔しかった。
だから思わず、智哉を強く抱きしめた。
「ッいやあぁ!!やだっ!さわ、な、いでください、離れてっ,…お、願いだから、
……も、う……から…から!!……ごめ、さ!」
「大丈夫だから、何もしないから、だから!、気をたしかにして、なっ」
俺は何度も何度も、大丈夫だから…、って言って落ち着かせる。
けどやはり、智哉は落ち着いていかない。
何でだろう。
…ねぇ、智哉、一体何があったの?…
「いやッだ!…さ、わないで、はなれて、やだっぁ……っっ……」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい━━━━
……………
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