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悪夢の正体 4
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「っ…ぃや、い、います。今言わなきゃ…言わなきゃいけ、ないんです…じゃないと…っ…」
智哉はなんでそこまで言おうとするんだろう?
だから智哉に問うてみた。
「じゃないと、何だ?…今言わなきゃいけないのは何でなんだ?別に起こったりしないから。
だから言ってみて?」
俺は優しく安心させるように言った。
俺は、智哉の言おうとするその意志を無駄にしないようにと思った。
だって智哉の何があっても頑張って言おうとするところに感動したから。
「…じゃ、ないと、み、やさかくんに、嫌われるって、おもっ、て……怒、りましたか?」
智哉は俺の顔かげんを伺いながら、頑張ってそう言った。
智哉の目を見ると涙がうっすらとまた溜まっていた。
智哉、別に言わなくても嫌いになったり怒ったりしないのにな。
智哉は本当に大丈夫そうで、臆病な子だな。
そう思った。
「なぁ智哉、別に俺、言いたいことを言えなくてもお前のこと嫌いになったりしないよ。
それにさぁ、怒らないから、だから安心して?なっ」
俺は智哉の手を握りながら安心させるようにそう言った。
そしたら、智哉の表情が少しよくなった。
「…はい。」
「よしっ。」
俺は柔らかく笑って智哉の頭を撫でた。
「…それじゃあ、改めて夢の続きを言います。…夢にはまだ続きがあって、それは、お母
さんの酷い言葉、暴力よりも辛いものでした…。僕はお母さんに、(僕を必要としくれる人
はいるんだ)、って言ったらお母さんは、こう、言ってきたんです。…(そんなに言い張るん
なら、今から教えてあげる、あんたなんか誰一人にもひつようとされていないことを。)
…とそう、言われました。僕は、絶対信じないって、心から思ってました。けど…お母さんを
よく見ると、後ろに誰かの影があったんです。そしたらそれ、は…そ、れは…ッ……や…さ…で、
した…ッ。」
…ん?
今、なんていったんだ?
声が小さすぎて、謎の影の正体が誰かわかんなかった。
それにしてところどころ言い方がぎこちないな。
「なぁ智哉、謎の影の正体が誰かのところ、もう一回言ってくれないか?そこの部分だけ
聞き取れなかったんだ。」
ビクッ
智哉が大きく身体を一瞬、震わせた。
それは明らかに動揺と恐怖を感じた。
…もしかして、謎の影の正体は、俺なのか?
いや、そんなはずない…そんなはず。
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