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「あれ?」
「んー?どしたん?」
「⋯なんか、来るの早いな。場所言ったの五分くらい前じゃなかった?」
「いやぁ近くにおったんよ。」
これでも耐えた方なんやけどなぁ。
近くで見たら、やっぱり目元赤なってた。まつ毛がまだ濡れてる。
「⋯そういや、まきまきこんな所で何しとったん?」
「あぁ、えーと⋯⋯」
⋯あ。言いにくそう。思った通り、りゅーくん絡みか。
「待ち合わせ⋯⋯?かな。」
「へーぇ。」
「来なかった⋯てか、来ないって分かってたけど」
声が小さくなるにつれて、ぐっと、眉間に力が入ってく。
俺の家に向かってる最中も、自分と比べて小さい歩幅に合わへん歩調。話振っても曖昧な返事しかせぇへんし、the 上の空って感じ。
腹立つ。
「⋯地面濡れてる」
「え?あぁ、そりゃさっきまで雨降ってたもんな。」
なんや急に。話のフリ方下手か。
「⋯サンタも、服ちょっと濡れてるな。外にいたの?」
「あー。えーと、俺はアレ。彼女とおデートしててん。ついさっきまで。」
⋯嘘やけど。
「そっか。おデート楽しかった?」
「んーまぁまぁかな。そのまま夜までコースやったら楽しかったやろうけど」
「ふーん⋯」
じろーって、斜め上目遣いで俺を見る。
「⋯⋯なんやの。羨ましい?」
わざとらしく口角を上げて見返すと、まきまきはそのまま口に手を当てて言った。
「⋯⋯⋯えっち。」
「⋯⋯。」
「っ!!な、ちょっと!!髪の毛ぐしゃぐしゃすんな!!」
「まきまきのくせに生意気」
なんや、今不覚にもときめいたぞ。恐ろしいわぁこの子⋯
えっちなんはどっちや。
「まきまきはぁりゅーくんにもそんな感じなん?」
「鬼塚⋯?⋯別に。普通だけど」
「もうアレや。なんというか、下の名前で呼んじゃえば?」
「なっ、はぁッ!??馬鹿じゃね!?無理に決まってるし!!」
「無理ちゃうよいけるいける。かわいーい声で言うてみたらええねんそっちのがおもろいから」
「おい「おもろいから」って何だ何も面白くねぇよ」
「じゃありゅーくんはまきまきのことなんて呼んでるん?」
「⋯⋯ふっ、ふつーに⋯⋯呼んでる、けど」
「普通?」
「⋯だからぁっ!!「お前」とか「おい」とか!!そんな感じ!!!もういいだろこの話ッ!!」
あーらまーぁ顔赤くしちゃってぇ。きもちわるーい。
男相手に何をそんなにドキドキしてんねん。意味分からんわ。
「大体サンタのそういうとこどうかと思う!!人のこと面白おかしくおちょくるのやめろ!」
「えー!だっておもろいねんもん。まきまきは特にィ」
「俺は面白くない!」
「んっふふふ。まぁそない怒らんと。な?ほらもう家着いたよ〜ふふふふ」
「笑ってんじゃねーよ!」
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