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煙が立つもの (モブ side)
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こんにちは。モブ子(腐女子)です。
普段は目立たない私ですが、趣味を打ち明けることの出来る友達がいます。今日はその友達と昼休みに、帰りにお気に入りのBL本を買いに行く話をする予定だったのですが、話題があらぬ方向に。
「佐々木君って⋯⋯なに?」
「なに、とは⋯?」
目の前にいるヤマザキとコヤマの二人は、私の友達であり腐女子。
「いや、今日のアレ見たら誰だって思うでしょ」
「⋯うん。言いたいことはすごくわかる。」
「接点なさそうに見えるじゃん⋯鬼塚だよ?鬼塚のタバコの灰が二階から降ってきて髪の毛焦がした女子がいるとかヤってポイする最低野郎だとかいう嫌な噂しか流れないような不良だよ?」
「⋯うん。わかるよ。」
「そんな奴が!あの佐々木君を!名前で呼んでたんだよ?しかも弁当箱渡すような間柄!!」
「うん⋯」
「正直めっちゃ萌える」
「「それな」」
「そう、私も佐々木君は前から怪しいと思ってた⋯入院する前はもう少しフワフワした子だと思ってたけど⋯最近田丸君との距離が近すぎて私もう鼻血を抑えるのに必死で⋯」
「鼻血って抑えられるもんなんだ⋯」
今こうやって話してる間にも鼻から流血しそうなんだけどどうかこの感動と萌えの破壊力を伝えねば⋯私だけには背負いきれぬ興奮⋯
「聞いて2人とも⋯」
「何⋯?大丈夫モブ子あんた死にそうな顔してるわよ」
「違うのそんなことどうでもいいの私はこの世に可能性(腐)がある限り死ぬわけにはいかないから大丈夫」
っふー。落ち着いて私⋯
「私⋯前に朝礼で田丸君が佐々木君の背中に両手添えて擦り寄ってるとこ見たの」
「はぁ!!?なにそれシコい」
「田丸君耳まで真っ赤で⋯私⋯私はもう⋯」
「けどまって、朝礼って出席番号順じゃない?「佐々木」と「田丸」の間にも何人かいるでしょ?」
「それが、田丸君が佐々木君の後ろに並ぶことが出来るように前の人脅したらしいわよ」
「なに、なにそれ⋯アカンやつや⋯」
「ちょっと誰かティッシュ持ってない?」
「モブ子あんた鼻血抑えられるんじゃないのかよ!!」
「私にはこれが限界だった。」
これまでに様々なフラグが立ってきた佐々木君だけど、ここからが問題。
ヤマザキは地雷なしでこの話題にも乗ってくれたけど、コヤマのBLは二次元で完成しているため現実でのカップリングまたはそういったフラグが地雷原である。今思い出した。
「あっ、ごめんコヤマ⋯こういう話題苦手だよね。本題に入ろっか。」
さっきからコヤマ話題に入ってこないし、黙ってうつむいてるし、やばい私腐女子友達として一番やってはいけないことを⋯
「⋯私、私は⋯」
「なに?どうしたのコヤマ」
「私⋯⋯私的に⋯⋯
佐々木君は田丸君とじゃないとイヤなの⋯」
「え?」
「このCPは固定されたわ⋯あくまで私的にだけど⋯」
「そっか⋯コヤマわんこ攻め大好物だもんね⋯」
「そうなの⋯」
あのコヤマが地雷を飛び越えた、だと⋯?
「モブレは?モブレはアリ?」
「ヤマザキお前!!佐々木君はそういうんじゃないんだよ!!すぐモブレとか言い出す癖まじやめろ!!」
「そういうんじゃないのよもっとこう清潔な⋯綺麗な世界に住んでいてほしい⋯幸せになって欲しい⋯」
「モブ子もコヤマも落ち着いて。まだ佐々木君が男性を好きと決まったわけじゃないからね」
「モブレとか言ってたヤツが何言ってんの」
「⋯まぁ、あれだよ。フラグは立てたいよね。」
「フラグ?」
「田丸君が佐々木君といる時点で私的にもうフラグは立ってるんだけどそこから先に進まないっていうか。」
「ハッキリさせたいよね。」
「私も。」
「けど所詮BLが存在する空間の壁になりたいモブ役の私たちがどうフラグ立てるっていうの?図々しくない?壁のくせに」
「図々しいとか考えてたらフラグ折れんだろうがッ!!可能性は自分らで引き寄せてくもんだろ!?」
コヤマが叫ぶと、私もヤマザキも我に帰ったかのように思えた。興奮すると口悪くなるけどコヤマのこういうとこホントに尊敬する。素晴らしい。
「いいと思う⋯フラグ立てよう。」
「私も賛成」
「お前ら⋯⋯流石だわ⋯それでこそだわ!!」
「で、どうするの?何から始める?」
「使ってない物置小屋が中庭の隅にある」
「それだわ。モブ子天才。」
こうして私たちは、新たな可能性とフラグのために立ち上がったのであった。
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