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フラグ 1 (まき side)
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昼休み、トイレから教室に帰ると鞄から見慣れない手紙がはみ出ていた。
差出人不明、「中庭の物置小屋に来てくれ」とのこと。
後ろから慎太郎が覗き込むようにして、手紙を指差す。
「女子の字だね」
「えっ」
も、もしかして⋯
「だめ!!告白とか許さないから!!だめだよまきちゃん!!」
「えっ!告白なの?ほんとに?」
どうであれ、行って確かめるしかないよな。せっかく書いてくれた相手にも悪いし。
けどなぁ⋯あそこ怖いんだよな。日が当たらないしなんかジメジメしてるし、人もあんまり通らないし。
「だめだってまきちゃん俺今日用事あるから!!行けないよ!?」
「行けないのは慎太郎だけで手紙もらった俺は用事ないから行けるんだが」
「俺も行く!!」
「用事あるんだろ?」
「ああっそうだった!!」
大丈夫かこいつ。
とにかく!俺は行くぞ。少しでも女子に告白されるというシチュエーションの可能性がある限り相手を裏切るわけには行かない!決して調子に乗ってるわけじゃないぞ!
と、決意を固めたものの、やはり不気味。この小屋、建付け大丈夫なんだろうか⋯?扉開きにくいし、中には小さい窓しかない。体育で使う古くなったマットや、山積みのダンボール、壁も床も、汚いわけじゃないのに心霊的な怖さがある⋯ような⋯
「もしもし⋯?誰がいるの⋯?」
こっ、声が無駄に響く⋯あと10分以内に誰も来なかったら帰ろう。寒いし暗いし怖すぎる。
ーガタン!!
「ひっ!?」
うっ、ううう後ろからすごい音したんだけど風!?風だよな!?
風だと信じていても振り返る勇気がなくて、手に持ってた手紙握りしめていつ何が来てもいいようぐっとこらえてた。
⋯待てよ、俺扉閉めたっけ?
閉めてないような⋯気がする。どうしよ、変な汗かいてきた。
とかなんとか思ってる矢先、扉が勝手に閉まる音がして、俺はもう恐怖で気を失いそうで手紙もぐちゃぐちゃだし冷や汗が半端なかった。
しかも、心なしか自分のものでない呼吸音が聞こえるんだが。いや、うん。幽霊は息しないし今後ろにいるとしたら生身の⋯
「まきまき」
「ひッ!!?」
呼ばれた反射で振り返ると、見慣れた高身長の男がへらへらと間の抜けた笑みを浮かべながらたっていた。
「いや、びっくりしすぎやん⋯」
「サンタ!?なんで!!」
「まきまきが呼び出したんちゃうん?ま、俺じゃないけど。りゅーくんの鞄からこんなものが見えたので拝借ぅー」
ひらりとサンタが胸ポケットからとって見せたのが、俺ももらった手紙で。
「俺そんなの出してないけど⋯」
「そうなん?まぁ予想はついてたけどな。これどう見ても女子の字やし。」
「わかってて来たの⋯?なんで?」
「なんでて⋯面白そうやから?」
そしてこの満面の笑みである。
「あ、あとな、悲しいお知らせがあんねんけど」
「なに⋯」
「さっき扉閉めたときな?外に立てかけてあったホウキが倒れたっぽくてもう扉開かんねん。」
「⋯へ?」
「ははっ。どないしょー」
はははと笑うサンタと、話についていけてない俺。笑ってる場合じゃないじゃん。
「ま、まって、ちょっとまって」
「はははっ。めっちゃパニクってるやんウケる」
「はぁ!?ウケてる場合か!!⋯そうだでんわ、電話すればいいじゃん!」
「ごめんスマホ教室やわ」
「なんでだよ!!携帯は携帯しないと意味無いでしょ!!」
俺も鞄ごと教室に置いてるから今のセリフ思いっきりブーメランなんだけどな!!
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