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まき side
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最近の体育の授業が俺に不都合なものばっかで泣けてくる。
俺だって体動かしたいし走りたいし飛びたいし。ドッジボールならぎりぎりいけるのになぜこうも走るやつばっかりなんだ。
教室に独りで数学の小テストに向けて勉強をしている俺は青春を謳歌するための時間を無駄にしている気がする。
窓からグラウンドを見下ろすと、楽しそうにハードルを飛んでる慎太郎とかタイムを測ってる友達とか、この時間だけその中に俺は入れないんだろうなーと悲しくなったり。
慎太郎のとこに行きたいな。
楽しそうだな...
「......スンッ」
くっそ、窓開けてるから花粉がドンドン入ってくる。
目も痒いし最悪。
でも、あれ?
花粉症って涙出るっけ。
開いたノートに雫がぽたぽた落ちる。痒くて痒くて、でも外からは楽しそうな声。
あぁ......
まるで自分が、みんなから忘れられたみたいだ。
寂しいのが懐かしく感じるのはきっと、全部忘れる前の俺がノイローゼ気味だったからだろうか。
誰からも忘れられる事なく、愛されて必要とされて、
悔しいけど俺の同居人も慎太郎もそういう他人だ。
...いいなぁ。
俺もいつかはそういう人になりたいな。
ノートを閉じて、ふっとため息をつく。
それから窓とカーテンを閉め、机に突っ伏した。
そうだ。
こんな悲しい気持ちになる前に寝ればよかったんだ。
小テストなんてもう知るか。
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