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好きな髪型、好きな格好、教師を脅せば出来ないものはない。
クラスの奴らと仲良くつるむのは面倒臭いが、2人ほどつっかかって来る奴がいる。
まず、よく俺の隣にいるロシア人のクウォーター。ペラペラとよく回るその口で見境なく女子を口説く。
関西弁だとギャップが出来て女子にモテると喜んでいる。
趣味と性格が悪いため、特別仲が良いわけではない。
そして、もう1人。
ーガァンッ!!!
勢いよく扉が開き、耳を塞ぐような音が教室中にビリビリと反響する中、
そいつは人を殺しそうな形相で合間にある机や椅子を蹴って退かしながら俺の所へ向かってくる。
舌打ち混じりに赤い髪をかきあげては、俺の目の前に立って毎度同じことを言う。
「......ねぇお前さ、あの家出てけよ。」
毎回毎回同じ登場、同じセリフ。よくもまぁ飽きもせずに。
「俺の家なんだけど?」
「いいよ。代わりにオレがまきちゃんと住むから。」
「は?きめぇ何言ってんの」
「いい加減うっとうしいんだよ一緒に居る気ないならとっとと出てけって言ってんの。」
「だから俺の家だっつってんだろ。」
口癖は「まきちゃん」で、俺につっかかって来る理由がほぼそれ。
俺のツレはこの赤髪の事を、" 狂犬 "と呼んでいる。
「じゃあまきちゃん返してくんない?」
「知るかそんなヤツ。」
てきとうにシラを切ると、深く眉間にシワを寄せ胸ぐらに掴みかかってきた。
「......ふざけんなよ?」
「ふざけてねぇよ。離せ。」
「要らないんだよお前。勝手にどっかの雌犬とでも乳繰りあってろよ」
今にも殴りかかってきそうな雰囲気で、クラスの奴らは静まり返ってる。
ところがその沈黙は、廊下から聞こえてきたある声によって打ち砕かれた。
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