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まき side
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「おーい!!慎太郎ー!」
おっかしいな...廊下で叫んでんのに全然見つからない。いつもなら飛んでくるのに。
「まっきちゅわぁぁあああんッ!!!」
「おぉッ!?おま、どっから来た!?」
「ん?窓から。」
「窓っ!?」
ほんとに飛んできました。
しかも自販機行ってくるとか言ってたのに他のクラスの窓から出てくるというこの謎。
「友達んとこ行ってたの?」
「んー?違うよ。」
「......ジュース買いに行ってたんじゃないの」
「あ、うん。ちょっと用事思い出して......何ヤキモチ!?まきちゃんがオレに!!?」
「ちゃうわボケ」
慎太郎に、昨日友達(?)の家に泊まりに行ったって話した。
そしたら飲んでたメロンソーダ零して、すっごい慌てようでちょっと面白かった。
「そのさぁー友達ってさぁー......" 賛田 "とかいう名前のヤツ?」
「うん。サンタ。慎太郎知ってんの?」
「まぁまぁ知ってるよ。あの外見は目立つからね。」
「それとさ、そのサンタに昨日襲われかけてさぁ...なーんかニコニコしてて感情が読めないやつだったなぁ。」
「......えッ!!!?」
「ん?」
「襲われかけた!?」
「うん。ホラ、首あたりに跡付いてんだろ?」
シャツのボタンを外して見せると、食い気味で襟を掴み、目を丸くした。
「......なに、コレ」
「キスマーク?」
「賛田殺してくる」
「いやいや、キスマークっつっても遊び半分だからね?」
「遊び......?」
赤い前髪の隙間から、さっきまでのテンションが嘘だったかのようなギラギラした目が首の跡を凝視する。
襟を掴んだまま突っ立っているので、ハタから見たらきっと慎太郎が俺に殴りかかっているように見えるだろう。
実際、廊下にいるほとんどの生徒はこっちを見てヒソヒソ話してる。
「慎太郎くん......?も、離してくれてもいいんじゃないかな...?」
「......くすり、」
「はい?」
「薬、塗りに行こ。保健室に。」
「...あっ、うん。」
静かな声で、俺の手をとって保健室へ歩き出した慎太郎は少しだけ怒ってるように見えた。
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