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ブレーキの微かな音で目が覚める。
店長が俺の顔をのぞき込んで、ふわりと口角を上げた。
「着いたよ。立てる?」
「ふぁ......はい、ありがとうございま...」
「雨が降ってきたから、急いだほうがいいかもね」
「ぅ.....」
ああぁねむい。瞼が自然と落ちてくる。
街頭の光が眩しくて、めまいで足元が歪んだ。
車を止めてエレベーターまでの間、店長の腕につかまりながらヨロヨロと歩く。
「ふぁ......」
「随分可愛らしいあくびだね。」
あくびに可愛いとかあったのか。知らなかった...
部屋の扉を開けると、案の定中は明かりひとつ付いてなくて。
靴を脱ごうとしたら、暗さと眠気でコケそうになった。
「おおっと、大丈夫?」
「...っはい、大丈夫です」
「部屋はどこ?」
「えと、廊下の突き当たり...」
「少しお邪魔するね。」
.....なに、やってるんだろうか。おれ。
自分の部屋まで手を引かれて、子供みたい。
「てんちょう...」
「どうしたの?」
「手、おっきいですね...」
「ははは。そうかな」
「...背も高いし。」
あ、今思えば部屋片付けてなかった。
恥ずかしいな...結構散らかってた気がする。
なんて思ってももうしょうがないけど。
部屋についてベッドに腰を下ろすと、店長が目の前にしゃがんで言った。
「じゃあ、また明日。体には気をつけてね?」
「...はい。」
「お友達と仲良くね。」
「......は、い。」
お友達って言っても、ほとんど帰ってこない。
今日も帰ってこない。
もしかしたら明日も明後日も、俺はこの家でずっと1人かも。
そう考えたら、ここで店長とバイバイするのが寂しくなって、
「佐々木くん.....?どうしたの?」
立ち上がろうとした店長の手を、無意識に握ってた。
「......か、帰って、欲しくない......です」
「え?」
「あっ、ごめんなさい...やっぱり何でも......」
しまった、勝手過ぎた。
われに帰って、咄嗟に出た言葉を取り消した
...はず、だったんだけど、
「......。」
「...あの、店長?......わっ!?」
視界が歪んで、後ろに倒れてしまった。
体がベッドの布団に埋まって、起き上がろうとしたら、目の前に店長の顔が。
布団に押し付けられた手首には、大きな手が絡まってる。
「......ご、ごめんなさ...っ、怒ってますか...?」
どうしよう、きっとわがまま言い過ぎたから怒ってるんだ。
車で送ってもらって、部屋まで付いてきてもらったのに、帰って欲しくないなんて言ったから。
目の前にあるのに、逆光で表情がわからない。
けど、手の力はどんどん強くなってってる。
「ぃ、痛ッ...!てんちょ、手、...はなしッ...」
「...駄目だよ」
「え...?」
「離さない。」
「あ、の...っ、」
怖い。
いつもニコニコしてて怒ったとこ見たことなかったから、
やば、泣きそう...
「てんちょ...っ、ごめん、なさ...ッ」
手首に体重がかかる。
真っ暗になった視界に、何がなんだかわからなくなって
音が消えた。
「...ん...ッ、」
唇に触れた柔らかい感触、
残った体温、
服のなかに忍び込む手。
「んッ...!や、なに......っ、」
「ごめん、我慢出来ないみたい。」
「てん、ちょお......っ!、やぁッ、」
駄目だ、体の大きさに差があり過ぎて払い除けることが出来ない。
制服のネクタイがするすると解かれてく。
どうしよう、どうしようどうしよう...
意味がわからなすぎて、どうしたら正解なのかもわかんない。
「てんちょ...っ、」
おれの声、聞こえてないの...?
「てんちょうっ、店長ッ!!」
だめ、触り方が、なんか...変な気分になる...っ、
「......き、だよ」
「えっ...?」
「好き。」
「なにが、ですか...っ?」
「佐々木くんが、好きだよ。」
「......へ」
「可愛くて、滅茶苦茶にしたくなる。」
そう言って、
店長は俺の制服のボタンをひとつひとつ外しながら、首筋に唇を落とした。
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