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望んでない 1
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目が覚めて、濡れていた頬をぬぐった。
朝がきたんだと分かって、肩を落とす。
朝ごはん食べなきゃ。歯磨きして、着替えて顔洗って...朝はやることが多いな。
賞味期限ギリギリのクロワッサンをトースターに入れて、部屋を見渡す。
テレビの上にはホコリが溜まってる。
洗面所にある洗濯物も干してない。っていうか洗ってない。
...生活感ないな。この家。
せっかく焼いたクロワッサンも、なんとなく食べる気になれなくてなにも腹に入れずに学校に行く。
不思議な事に、お腹がすかない。
「まきちゃぁぁぁあんっ!!!好きっ!!」
「......慎太郎...おはよ。」
「あれ?どしたのパーカーなんか着て。可愛いから写真撮ってい?」
「だーめ。てか今日寒くね?マフラーも欲しいくらいだわ。」
ブレザーの下に大きめのパーカー。先生に見つかったら怒られるだろうなぁ。
「寒いならオレがギュー♡ってしてあげるよ!!ほら!!」
「......ん。じゃあ、お願い。」
「エッ!!!まじすか!いいんスか!?」
「早く。寒いって言ってんじゃん。」
「......ッ、お、おおぉ...!!」
......は?何固まってんの。お前さんざん俺に抱きついといてその反応は無いだろ。
言ったこっちが恥ずかしいじゃん。
「ででででではっ、失礼しますッ!!」
ビシッて敬礼した後、一歩手前に出て俺との距離が10センチ程になった。
うーん......
これは、この距離は...
見下ろされてる気分になる。
「やんないの?」
やだ、顔真っ赤。怖いよ慎太郎くん。
「だって、だってさぁ......!!まきちゃんいいにおいするし!!」
「きっもい。だめだ、寒気で鳥肌が止まんないわ」
「えっ!!その寒気はオレのせいなの!?違うよね!?」
「......」
「違うよね!!?」
...あほらし。
さっさと教室行って授業うけて、飯食って帰ろう。
「あれっ?まきちゃん、ギューは!?」
「おあずけー。」
「ええぇぇぇ!!?」
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