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結婚までの日々 13
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レノン王子とのキスは、長かった。
でも、心地よいと思った。
しばらくして、レノン王子の唇がゆっくりと離れていった。
俺もレノン王子も、少し息が上がっている。
「…嫌ではなかったか?」
「はい…嫌だなんて、思いませんでした」
そう、レノン王子のことを愛してはいないけれど、嫌ってもいない。そんな相手からのキスだったけれど、俺は、不快を感じることはなかった。
「そうか…それでは、今夜はもう寝ようか?」
「え、もういいんですか?」
「…もう何もしたいことがないと言えば嘘になるが、言ったであろう? 無理矢理にはしたくない、と。キスまではセーフだとわかっただけでも十分だ」
そう言って、レノン王子は優しく微笑みながら俺の頭を撫でた。
「…ありがとうございます」
「ああ。それでは、寝よう」
俺とレノン王子はベッドに横になった。
「おやすみ」
「…おやすみなさい」
そう挨拶を交わし、俺は目をつぶった。
…が、この状況で眠れるわけがない。
夕食前まで寝ていたこともあり、俺の目は完全にさえていた。
俺は、チラリとレノン王子を盗み見た。
レノン王子は目を閉じ、静かに寝息を立てている。
…お疲れなのかな?
レノン王子はこの大国アストカル王国の第一王子だ。
きっと、毎日忙しいのだろう。
…俺にも、何か出来ないかな?
明日、レノン王子に尋ねてみよう。
仰向けのまま、ベッドの天蓋を見上げる。
もう一度だけ、レノン王子を盗み見た。
…横顔綺麗だな。
こんなにイケメンなんだから、きっと世の中の女性が黙ってはいないだろうに、なんで俺のこと好きなんだろう…
そういえば、レノン王子はいつから俺のことを知っていたのだろうか?
いつから、俺のことが好きなのだろうか?
「眠れないのか?」
「は…ほえあおえええ⁉︎」
突然レノン王子に声をかけられ、ビックリしすぎて変な声が出てしまった。
お、おき、起きて…た…?
レノン王子がスッと目を開き、俺の方を向いた。
レノン王子と目が合った。
「ふふふ…そんなに見られていたら、さすがに気付くよ」
な! 俺、そんなに見つめていたか⁉︎
…恥ずかしい。
レノン王子は、クスクス笑っている。
「…そんなに笑わないでください」
「すまない。だが、ルナ王子が可愛くて、愛しくてたまらないと思ってな」
「な…!」
俺は頬が紅潮していくのを感じた。
なんてことを言うのだろうかこの人は…もっと恥ずかしくなってしまったではないか。
俺は、未だにクスクス笑っているレノン王子にムッとしてしまった。
…なんか悔しい。
あ、そうだ。
俺は、ニヤリと笑ってレノン王子にキスをしてやった。
キスならしてしまったし、今さらファーストキスが! なんて言う気はさらさらない。
あれ、そういえば、さっきのがファーストキスだった…
大切なことに気づいたものの、レノン王子が驚いたように目を見張って、カアアッと頬を染めていくのを見て、俺は満足した。
どうだ! 俺だってやろうと思えば出来るんだぞ!
…だが、俺はとんでもないことをしてしまったらしい。
次の瞬間、レノン王子が俺の上にいた。
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