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結婚までの日々 29
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翌朝目を覚ましたのは、ちょうど日が昇り始めた頃だった。
徐々に明るくなっていく寝室の中で、俺はぼんやりと虚空を見つめていた。
昨夜のことは夢だったのだろうか?
いや、あれは全て夢などではない。本当に、あったことなのだ。
俺とレノン王子は、着実に夫婦としての道を歩んでいるのだ。
…ん、夫婦?
だあああああああああ!
確かに俺は嫁だけど! でも、俺は男なんだよ! 確かに女にならなくちゃいけないけど、いろんな意味で! でも俺は男なんだ…!
…俺は、ずっと、どこかの国のお姫様と結婚する運命なんだと思っていた。
俺は王子という立場だから、自分の望む相手と結婚できるとは、流石に思ってはいなかった。
だが、まさか結婚相手が男になるとは思ってもみなかったというか、想像の余地にすらなかったというか……
それに、俺が"女"として育てられていたという事実は、今も受け入れがたいものだ。
でも、俺は生まれる前から、レノン王子の嫁になることが決まっていた。だから、これは仕方のないこと…
ここまで自問自答を繰り返していたが、俺は全てを振り払うように首を振った。
いや、レノン王子と結婚するということを俺は、正直に言うとすっかりと受け入れている。
レノン王子とだったら、大丈夫な気がする。
…直感だけど。
ただ、一つ問題があるのではないか?
これは、俺にはどうしようもならないこと。
そして、レノン王子は一国の第一王子として、必ず成し遂げなければならないこと。
「俺、子供生めないよ……」
そう口に出してしまった言葉に、俺は心が痛んだ。
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