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本性
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「…瑞希、くん…?」
「ッはなせっ!!」
俺の涙に気づいてか息を呑み力が一瞬弱まったすきに、すかさず腕を振り払った。
部屋を飛び出し玄関へ向かう。
今はとにかく離れたかった。
…けど途中に、足が止まった。
来た時は開いてなかった部屋のドアがなんでか開いてて
そこの光景に、意識が奪われたから。
「…な、に…これ……」
呆然と足を踏み入れ、その部屋を見渡す。
壁には大量の写真。
幾つかあるモニターには、様々な部屋や
録画されたらしい映像が映し出されてた。
ーーー全部、俺の…
パタン、
音がしてビクッと振り返ると、ドアを後ろ手に閉めたらしいお隣さんが居て。
「ふふっ、やっと手に入れた…」
にこぉっと笑うお隣さんの目には、ドロドロと何かが渦巻いてるようで。
今まで感じたことのない得体の知れん恐怖に、顔が引き攣り身体の芯が冷えていく。
「怯える瑞希くんもかーわいい…」
恍惚と笑みを浮かべながらドアの傍の引き出しを開け、何かを取り出すその人を眺める。
俺の足は、根でも生えたみたいに動かんくて。
「…あーあ、顔を見るのもヤなんだけど。」
そんなことを言いながら近づいて来たお隣さんが俺に差し出したのは、数枚の写真で。
「ッ…!!」
それを見た瞬間、ただ漠然と、
この人には逆らったらアカンのやと察した。
「………ッ…なにが、望みなん…スか…」
遠退きそうな意識を必死に保ち、
震える手で顔を覆い声を絞り出した。
お隣さんが愉しそうに笑む。
ーーズタズタにされた写真に写ってたのは、
俺と仲の良い秀丸や俊太、奏たちやった。
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