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未熟だから
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「テツ〜。グラタン食べよっ♪」
「男の姿で女言葉で喋るな。混乱する。」
「あら、ごめんなさいねぇ。」
「まだ途中だ。」
幸彦さんが虎徹さんの腕に絡みつき、2人はキッチンの方に向かっていく。
「愛生くん。」
取り残された僕の方に龍さんがくる。
「オレら3人はさ、全員変わってんだよ。それぞれいろいろ事情を抱えてるんだ。そのことに触れるとオレらは冷静じゃなくなっちゃうんだ。だから、愛生くんに迷惑かけるかもしれない。けど、許して欲しいんだ。」
眼鏡のレンズ越しに見える、瞳が優しく僕を見つめる。
「オレらは大人だけど、まだまだ未熟なガキなんだ。愛生くんと一緒だよ。だからさ、これからは4人で少しづつ大人になっていこう。ゆっくりでいいから、お互いに支えあっていこう。オレらは家族なんだからさ。」
「……うん!!」
「ありがとう。まずはそのダボダボの服から着替えておいで。」
龍さんの言葉を聞き終え着替えようと洗面所に向かう。
龍さんは自分のことをまだまだ未熟なガキと言った。
けど、僕の目にはとても落ち着いた大人の男の人に見えた。
きっと僕らの中の誰よりも大人だと思う。
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