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傷つけたくない宝物
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リビングから出て、洗面所に行く。
幸彦さんからもらった服の中から適当に選んで身につけていく。
薄手の長袖に、半ズボン。
今はまだまだ暑い夏だけど傷を隠すにはこれくらいがいい。
今まで着てた虎徹さんの服は洗濯カゴに入れる。
鏡の前に立ち自分を見つめる。
パシッッ
自分の頬を手のひらで叩き、気合を入れる。
やはり出ていくなら早い方がいい。
長くいればいるほど、3人から離れられなくなってしまう。
僕に優しくしてくれる人なんていなかった。
そんな人生だったのに、僕のことを考えてくれる人に出会えた。
この出会いは僕にとって奇跡で宝物。
一生忘れない出会いだと思う。
けど、宝物を傷つけたくはない。
きっと、僕はこのことを思い出すだけで幸せになれる。
だからもう大丈夫。
作戦はみんなが寝静まった深夜。
僕はここから出ていく。
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