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対面
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僕は今、屋敷で一番豪華な作りをしている扉の前に立っている。
柊様の部屋の前だ。
柊様というのは、僕の父親だ。
桐谷柊(キリヤヒイラギ)。僕の父であり、桐谷グループの社長だ。
扉の前で深く、深く深呼吸をする。
どんだけ深呼吸をしても、緊張は収まらない。
僕は震える手で、扉を3回ノックした。
「誰だ。」
扉の向こうから、低く機嫌の悪そうな声が聞こえた。
もう一度だけ深く深呼吸をする、
「父上様。愛生です。」
「入れ。」
「…失礼します。」
重たい扉をそーと開ける。
資料のたくさんのった机の向こうにお父さんは立っていた。
部屋の窓から射し込んでくる光で、表情がよく見えない。
僕達以外誰もいない部屋で、静かに時間が流れる。
「…愛生。お前に報告がある。私は再婚をした。そして、お前には兄ができた。」
意味がわからない。
再婚?それって、お母さんじゃない人と結婚したってことだよね?
それに、兄って何?連れ子ってこと?
「それで、この会社はお前ではなくお前の兄に継いで貰うことにした。 だからといってお前が自由になれる訳では無い。」
言葉を一度止め、お父さんはコツコツと足音を鳴らしこちらに近づいてくる。
僕の目の前に来ると止まり、僕を見下ろした。
「お前の世話係だった、矢島だがクビになったぞ。理由は言わなくてもわかるだろ?」
「そ、んな…」
「新しい世話係は、倉木さんだったか?彼女は若いのに大変だな。仲良くやれよ。 わかったらもう行きなさい。」
「お父さ
「出てけ!!!!」
何も言えず、僕は部屋を出た。
顔から血の気が引いて行くのがわかる。
僕はもうここから逃げ出せない。
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