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絵本の家
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僕は倉木さんと別館の前に立っていた。
赤いレンガで出来た家。
外観は二階建てだが、一階建てだ。
吹き抜けになっている。
中は一部屋しかない。
ここは、母の仕事場だった。
昔は僕もここによく来ていた。
7年ぶりだ。
首にかかった鍵をそっと手に取る。
鍵穴にそっと差し込む。
カチャリ
鍵穴から小さな音が聞こえた。
僕はそっと扉を開けた。
「すごい…」
後ろから倉木さんの声が聞こえた。
中は、7年ぶりということもあって埃だらけだった。
真ん中にある机。
そこには絵を書くためのいろんな画材があった。
そして壁は、ドアと窓以外は
全て本棚になっている。
僕と倉木さんは中へ足を踏み入れる。
一歩踏み出す度に埃がまう。
僕は近くにあった本を一冊手に取る。
その本は可愛らしい絵の描いてある絵本だった。
「ここにあるのは、全部絵本なんですか?」
「うん。ここにある本は全部、お母さんの書いた絵本です。」
僕は左の壁にある本棚に向かった。
ハシゴを使い、一番上の棚に手を伸ばす。
そこには、手紙があった。
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