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人生の中の一瞬
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顔を上げた。
あのときと同じセリフだった。
もしかしたら、、なんて思った。
けど、そこにいたのは髪の長い人だった。
綺麗なお姉さん
「愛生くん…?」
「ユキちゃん?」
綺麗なお姉さんに見える、お兄さんだった。
「お前!!なんでだよ!!?テツがどれだけ…!!」
首元を引っ張られ、顔を強制的に近づけられる。
「テツが!龍が!!俺が!!!どんだけ…どんだけ心配したか……。」
「…ユキちゃん…」
ユキちゃんの目からは涙が流れてくる。
頬を流れる涙が月光に照らされ光る。
「僕のこと心配したしてくれてたの…?」
「当たり前だろ!!!少し、人生の中の一瞬しか俺らは一緒にいなかったけど、その一瞬だけで俺らは家族になっただろ!!家族なんだから心配して当たり前だろ!!」
綺麗なユキちゃんの顔が涙でぐちゃぐちゃに歪む。
「だって…。僕、、ダメだって。みんなを不幸にしたくなくて、幸せでいて欲しくて。ユキちゃんとの約束守ろうって。だって、みんな大事で…。」
パシッ
乾いた音が静かな公園に響いた。
それとともに左の頬に痛みが走った。
「馬鹿野郎!!!テツ達の幸せになるにはもうお前がいなきゃいけねぇんだよ!!お前がいないと心配でまともに寝れもしない!お前のことがそんだけ大事なんだよ、、確かに不幸にしたら許さないって言った!! けど、出てけなんて行ってないだろうが!!!」
「でも…だって…」
「男が!!でも、だってとか言うんじゃねぇ!!!」
服を引っ張られ、さらに引き寄せられる。
そして、身体があたたかさに包まれた。
ユキちゃんが抱いてくれたのだ。
ユキちゃんの息遣いが耳元で聞こえる。
「…ユキちゃん」
「お前は…、愛生は、俺らと一緒にいなきゃダメだろ。俺らから離れるなよ、、」
「ぅぅぅぅ、、…ヒック、、うぅ、うわぁぁぁあんん」
力の限りに、ユキちゃんに抱きついて
僕は、声を出して泣いた。
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