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そして、ここへ
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「なんなんだ、あの男は。兄になったかなんだか知らないけど、俺らの方が愛生と会ったの早いし。」
「うん、そうだね。」
「何ニヤニヤしてんだ?」
「何も無いよ」
「あっそ。」
何も無いことはないけど、言うのは恥ずかしいからやめた。
ちょっと前まで、自分はひとりだって思ってたけどこんなに心配してくれる人がいて嬉しかった。
それになにより、ユキちゃんがこんなに心配してくれるのは驚きだった。だって、初対面があんなのだったからね?
ユキちゃんはスタスタと歩いていく。
あっという間に、虎徹さん達の住むマンションについた。
マンションの前に着くと、ユキちゃんはそっと僕を下ろし
なにやら、ボタンを押してた。
初めてここに来た時虎徹さんもやっていたが、
見るのは二回目なので新鮮だ。
ドアが開いて、エレベーターに乗る。
どんどん、上へエレベーターは上っていく。
「テツ。愛生のことすごく心配してた。泣いて喜ぶと思うよ。」
「喜んでくれたら、嬉しいな。」
音が鳴ると、エレベーターのドアが開いた。
ユキちゃんに続いて、出ていく。
ちょっと歩くと、一つの扉の前についた。
ここを開ければ、虎徹さんがいる。
僕は、そっと扉を開いた。
扉の音がしたからだろうか、奥の部屋からふたりの人影がこちらに向かって走ってきた。
「ただいま!虎徹さん、龍さん!!」
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