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何もない
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「ダメだ…。もう、走れない。」
慌てて家を飛び出した僕は何も持っていなかった。
お金も食べ物も飲み物も何もない。
携帯はそもそも持ってない。
時計もないから時間さえもわからない。
外に出るのは中学に行っていた時以来だから
約1年半ぶりだ。
近くに公園があるのを見つけた僕は、
公園に入り、ベンチに腰をかけた。
太陽が沈み空には月が出ている。
夜の公園には僕以外に誰もいない。
「僕、これからどうしよう…。」
疲れているのに
お金はないから宿に泊まることは出来ない。
お腹は空いているのに
食べ物も飲み物もない。
1人は怖いけど
親戚も友人もいない。
「ホントにどうしたらいいんだろう。」
目からは涙が次々に溢れ出してくる。
このまま死んでしまうのだろうか
という考えが頭によぎりまた涙が溢れてくる。
ベンチの上で体を小さくして僕は泣きじゃくった。
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