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名前は
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「ねえ、君。大丈夫?」
急に座り込んだ僕に対して、
僕の腕を掴んだままその人は聞いてくる。
「…大丈夫です。」
「本当に?そうは見えないんだけど。」
その人はそう言って僕の横に座り、僕の顔をのぞき込んできた。
のぞき込まれた顔を僕はチラリと見た。
もしかしたら知ってる人かもと思ったけど
1度も見たことない人だった。
「…あの。だれ…ですか?」
僕は小さな声でボソッと言った。
「人に名前を聞く時はまず自分の名前を言うんじゃないのか?」
「え。…すみません。」
僕はそれ以上何か言うのが怖くて黙り込んだ。
相手もそのまま何も言わない。
しばらくするとその人がため息をついた。
「俺、虎徹。霜山虎徹。君は?」
「…僕は愛生。」
「ふーん。」
霜山さんは興味無さそうにそう言うと立ち上がった。
僕はびっくりして霜山さんを見上げる。
「ところで、君は何してんの?」
僕は霜山さんの質問を聞き黙る。
家出なんて言ったらダメだよな。
家に帰されちゃうかもしれない。
僕が黙っていると霜山さんがゆっくり口を開いた。
「訳ありか。じゃあさ、俺ん家来る?」
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