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side虎徹
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俺の足の間にいる少年は涙を流しながら俯いていた。
愛生は俺に裸を見られたことを気にしてるんだろう。
だが、俺は別に本当に何も思わない。
確かにびっくりはした。
だって、
「…俺と同じだから。」
「え?」
しまった!声に出てた。
「同じ?何が、ですか?」
本当のことを言っていいのか?
こんなこと言ったら愛生は俺に気を使うんじゃないか?
「ねぇ、霜山さん。僕には教えてくれないの?」
愛生は潤んだ目で俺の目をじっと見てくる。
愛生はただ単純に気になるだけなんだろう。
けど、このことはあまり言いたくない。
知ってる人は少ししかいない。
「…霜山さん。」
俺の服をぎゅっと掴む愛生。
ずっと目が合っているのが辛い。
言いなくない、けど、
愛生の見られたくない体を勝手に見てしまった。
だったら、俺も言いたくないことを愛生に言うべきじゃないか。
そうだよな、言おう。
「俺、昔いじめられてた。それで毎日アザ作ってた。だから、愛生の体と似たような感じだった。」
俺がそう言うと愛生がバツの悪そうな顔をしていた。
けど、その後少し笑って
「お揃いだね。」
と愛生が笑った。
俺はびっくりした。
そんなこと言われたの初めてだった。
「ははっ、はははは!!」
俺はなんか可笑しくなって笑った。
初めてだった、この話をしてこんな気持ちになったのは。
きょとんとしている少年の頭を撫でて俺はまた笑った。
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