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予想外
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リビングのソファーに僕と虎徹さんは並んで座る。
「やっぱり風呂はいいな。」
虎徹さんはソファーの背もたれにもたれかかって大きく伸びをした。
僕は背もたれにはもたれずソファーに浅く腰掛けている。
「虎徹さん、お風呂好きなんですか?」
「あぁ。1日に2回入る。」
「2回も?」
「朝と夜に。愛生は風呂嫌い?」
虎徹さんは僕の顔をのぞき込むようにしてこっちを見る。
僕は上目遣いで虎徹さんを見ながら答える。
「いつもだいたいシャワーだけで済ましちゃう。けど、嫌いではないよ?」
「なんで最後疑問形なんだよ。」
虎徹さんは笑いながら僕の頭を撫でてくる。
虎徹さん頭撫でるの好きなのかな?
虎徹さんは足を開いて座り、その間を手でポンポンっと叩く。
ここにおいでという意味かな?
僕は虎徹さんの足の間に座る。
昨日もこの体勢で髪を拭いてもらった気がするな。
「愛生はかわいいなぁ。」
虎徹さんはそう言うと僕に抱きついてくる。
急に抱きつかれてびっくりするが、暖かいぬくもりに包まれてなんだか嬉しい。
「僕、男だよ。」
「知ってる。」
虎徹さんがぎゅーと抱きついてくる。
僕のこと抱き枕か何かと勘違いしてるのかなぁ。
「虎徹さん。あのね、聞きたいことあるんだけど。」
僕は顔を上に向け、抱きついてる虎徹さんの顔を見る。
「なんだ?」
虎徹さんはニコッとしながら言う。
「虎徹さんって、子供の扱いになれてる?」
僕の頭を撫でたり、髪を拭いてくれたり。
弟や妹がいるのかな?それとも自分の子供??
作家さんなら仕事でってことは無いよね?
「あー。それはだなー。」
虎徹さんは抱きついている片手を離して自分の頭を搔く。
「…言いたくないこと?」
「んー。言いにくいことかな?」
虎徹さんはアハハと苦笑いをする。
「嫌なら言わなくていいですよ?」
「ううん、言うよ。俺は…、俺と龍は孤児院出身なんだ。」
「え?」
僕は虎徹さんの予想外の回答に、固まってしまった。
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