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悪魔
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僕の言葉を聞き、彼の表情はとても冷たいものになった。
「出会って1日そこらの人に愛してるとか言っちゃうんだ。」
「……ホントのことだから。」
冷たい目で睨まれ、ゾッとした。
「愛してる、か。テツか龍に言われたの?」
図星をつかれ、頬に冷や汗がとおる。
「そんなの、社交辞令みたいなもんだよ。君を落ち着かせるために嘘でもついたんだよ。17になってそんなこともわからないの?」
彼がぐっと顔を近寄せ、耳の横で囁く。
「君は高校行ってないんだったね。中学もほとんど休んでたみたいだし。 まあ、わかんなくて当然か。」
…悪魔。
そんな言葉が頭に浮かび僕は思わず彼を突き飛ばす。
突き飛ばすといっても非力な僕が彼を押したところでソファーから落ちる威力はなかった。
顎にある手が離れる程度だった。
「いや〜ん♡テツぅ。愛生くんがアタシのこと押してきたぁ〜。」
さっきとは違って、高く大きな声で彼は声を上げた。
僕は怖くなりソファーを飛び降りキッチンの方に走った。
キッチンでは虎徹さんと龍さんが、2人で協力して料理を作っていた。
僕が来たことに気付き虎徹さんが手を止めこちらを向く。
「どうした?」
僕は虎徹さんに抱きつく。
「ん。大丈夫か?」
僕は虎徹さんの言葉に首を横にふる。
虎徹さんは優しく僕の頭をなでる。
「ユキになんかされたのか。…あいつはいつもそうなんだ。ごめんな。」
虎徹さんが謝ることじゃない。虎徹さんのせいじゃないよ。
「もぉ〜、愛生くん逃げないでよぉー♡」
悪魔がきた。
僕はそう思った。
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