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早く行きなさい(達実side)
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日向、早く行きなさい。
嶺音くんの傍に居てあげなさい。
貴方の無事を誰よりも嶺音くんが願ってるから。
「分かり、ました。」と言った
彼の目を見て力強く頷く。
嶺音くんの傍に居るのは、俺じゃダメだから。
日向が、嶺音くんの心の支えだから。
俺のことは気にしなくていいから
少しでも早く嶺音くんの元へ。
俺は大丈夫だから。
口には出せなかったけど、さっきの頷きには
そういう意味をたくさん込めておいた。
きっと日向には伝わっただろう。
日向が去り際に俺の横を通りながら
言った言葉に、涙が溢れた。
その言葉が、救いとなった。
俺は大丈夫。
泣いてる俺を見て、坂口啓人は嘲笑っていた。
きっと辛くて泣いてるんだと思ったんだろう。
でも実際は真逆で、
日向の優しさに泣いているんだよ。
日向がくれたあの言葉。
嘘偽りのない強い眼差し。
希望を持っちゃうじゃない。
期待しちゃうじゃない。
「必ず助けに来ますから。」
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