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<裏切り>
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楽しかったお正月はあっという間に終わり、3学期が始まった。
3学期の男子の楽しみと言えば、やっぱりバレンタインデーだ。
でも、今年のバレンタインデーは、ボクにはまったく関係ないイベントになってしまった。
小学校卒業と同時に彼女はいなくなったし、うちのクラスの女子はシビアなので義理チョコもくれないだろう。チョコをもらえるとしたら、母さんくらいしかいない。
それに、いまは好きな人が男性のなので、バレンタインデー自体、ボクには関係のないイベントとしか思えなかった。
そのせいか、今日がバレンタインデーだということをすっかり忘れていた。
放課後、帰ろうと思っていると、知紀の姿が見当たらなかった。
探しているうちに、体育館の裏まで来た。
「ユウくん」
小声でよばれた。
拓海が指さした先には、知紀と隣のクラスの女子がいっしょだった。……確か、森永千咲(もりながちさき)とか言った。
「告白されてるのかな?」
「えっ? まさか!?」
ボクは驚いて、拓海のほうを見た。
他人事なのに、なぜかドキドキする。
見てはいけないものを見てしまった気分になった。
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