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父さんが産婦人科のお医者さんということもあり、ボクは物心がついた頃から性教育を受けてきた。
たぶん、ボクが年頃になったときに、ちゃんとした知識も持たずに興味本位でセックスしたり、避妊もしないでセックスをして相手を妊娠させたりしないようにだと思う。
いっしょにお風呂に入ったときなど、少しずつ教わってきた。
小学校で性教育の授業を受けた同級生よりも、ボクのほうが遥かに知識があったけど、教わったことは誰にも言わなかった。
久しぶりに父さんとお風呂に入った。
2人で湯船に浸かって話していると、いつものように性教育の話になる。
「拓海も、そのうちセックスするようになるんだろうな」
父さんはそう言って、なぜだか淋しそうな顔をした。
「……避妊もせずに相手を妊娠させたらどうする? それが中学生や高校生のときなら? ……せっかく授かった命を、事情によったら諦めないといけないこともある。だから、セックスは時が来るまでしちゃいけないんだ」
「ボクはしないよ」
「そうだ。中学生や高校生のときはしちゃいけない。コンドームだって、ちゃんとした使い方を知らないと破ってしまい、避妊していないのと変わらないんだよ」
父さんは勘違いをしている。
ボクは早いうちからセックスをしない、と言ってるんじゃない。
女の子とセックスしないと言ってるんだ。
ボクは女の子にまったく興味がなかった。
いまはまだ子どもだけど、年頃になったらきっと自然に興味が出て来ると信じていた。
だから、先生を好きになるまで、自分が人と違っているなんて少しも思わなかった。
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