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楠見先生が好き……。
はっきりと自覚したとたんに怖くなった。
物心ついた頃から、父さんにくり返し教わってきたのは、男女のセックスについてだ。
ボクの知識では、男同士がどうやって愛し合うのかさえ分からない。
そもそも、セックスが出来るのかも疑問だ。
男の先生を好きになるなんて、やっぱり「どこかおかしいんじゃないだろうか?」、「病気なんだろうか?」と、真剣に悩んだ。
自分の胸にだけしまっておくことが出来なくて、親友の2人に泣きながら想いをぶちまけた。
また、からかわれるんじゃないかと思ったけど、知紀くんは苦い初恋の思い出話をしてくれた。
ユウくんは片思い中のお兄さんの話をしてくれた。
2人が秘密を打ち明けてくれたおかげで、ボクはふっきれた気がした。
「たまたま好きになった人が、男の人だった……って思えば、悩まないで済むんじゃないか?」
親友のユウくんの言葉に励まされた。
それ以来、先生を好きになったことで悩まなくなった。
ボクの好きな楠見慧悟(くすみけいご)先生。
数学の先生で、クラスの担任でもある。
ボクより12歳も年上の、男の先生だ。
大人のくせに、寝ぐせ頭で学校に来たり、シワシワのシャツを着ていたり、……勉強以外はまるっきり駄目な人。
正直、先生のどこがいいのか、自分でもよく分からない。
でも、これだけは分かる。
一目惚れや運命的な出会いがなくても、人は恋をするものなんだ、と。
ボクの先生に対する感情は、例えるならば……アバタもエクボ。
駄目なところまでひっくるめて、全部好きになるのが恋なんだ!
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