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モテ期
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好きな人とやりたく無い会話ナンバーワン。
『ねえ、聞いて。僕、彼女出来るかもしれない』
「えっ」
『モテ期きてる!!やばい』
「えっ?」
『ねえ……妬いた??』
うがぁあああああああ!!!!
妬いた?じゃない。
妬いたよ。妬いた?妬いたって何?あざといか!
大体、モテ期って何だよ。ふざけんな。そんな事件いきなりブッ込んでくるな。
俺のキャラ的には、ここで妬いた?という質問にはさらりと受け流す。しかし、心の中のショックは激しいものだ。それはもう一日中歩き回って疲れたから加減がわからなくてしてしまったセックス並みに激しい。
「良かったね。まあ、程々に楽しみな」
『ちぇー。つまんない』
何を期待してたの。俺に何を期待するの?もし、俺が妬いたと言ったら、お前は俺に何をしてくれる?好きだと言ったら、俺に何かしてくれるのか?
俺は、携帯を放り投げた。
SNSなんて、既読だろうが未読だろうが、読んでいることに変わりないけど、便利なものだが相手の真意が読み取れないから困る。
モテ期ってどういうことだ。
あー。
なんで、こんな想いを俺はしなきゃいけないんだ。
前、俺が彼女出来たときは、心底から恨めしそうに俺を見てたくせに。
あいつの真意がわからない。
俺にどうしてほしいんだよ。
さっき放り投げたばっかなのに、携帯を拾い上げて、そっとトークを開く。
『俺は、お前に感謝してるよ』
そこから、ながーいセリフの始まりだ。
『俺は、お前がいなかったら、地味で嫌味な奴だったよ。お前が俺に気を使ってくれるから、世話を焼いてくれるから、俺はここまでやってこれたんだ。お前、自分が思ってるよりずっと繊細で、感情が顔に出やすいから、本当はお前がどう思ってるかとっくの昔に気付いてたよ』
はぁ?!
俺の気持ちに気付いてるだと?!
『お前と同じくらい』
ゴクリ
『俺もお前に感謝してるよ!サンキュ』
はぁ。
これだから、モテ期とか言っちゃう系の馬鹿な子は……
だけど、そこが可愛いんだけど。
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