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結果。
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歓声が止まないうちにすぐさま駆け寄って来た仲間たちに囲まれ、洸太の姿は見えなくなってしまった。
そんな青春の一幕を眺めつつ、俺はその場にへなへなと座り込んだ。
焦げ付くような喉の乾きを自分の唾液で潤しながら、未だに乱れたままだった息をようやく整えて安堵する。
…勝ったんだ……っ良かった、…なんとか間に合った…。
緊張の糸が完全に切れたせいか、今更ながら足の感覚が蘇り、痛みが増してくる。
「痛っ、…これ、どうなってるんだろ……。さすがに骨折はしてない…はず…。…日頃から運動しとけば転ぶこともなかったし、もっと早く来れたかもしれないな…。」
一人でぶつぶつプチ反省会をしていると、こちらもミーティングを終えたらしい選手たちが、ベンチに置いていた各々の荷物を片付け始めているのが見えた。
洸太はまだ先輩に絡まれていて、こちらに気付いているのかどうかは分からなかった。
「…そうだ、俺………洸太に、言わなきゃ…。」
あと少しだから。そう自分を叱咤して立ち上がると、俺は足をほとんど引き摺るようにして会場の外へ歩き出した。
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