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リビング。
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「はい、着いたよ春ちゃん」
「…あり、がとう……ございます…。」
リビングのソファに降ろされ、ぎこちなく礼を言う。
まさかこのソファにこんな形で帰ってくることになるなんて…何も考えず家を飛び出した数時間前の俺は思いもしなかっただろうな。
当たり前のように俺の隣に座ったことに多少びくっとしながらもそれ以降何も言わない光汰に不安を覚える。
お互い沈黙したまま、どれくらい経っただろう。
時計の秒針音ばかりが響く空間に俺がそろそろ我慢できなくなってきた頃、突然光汰が口を開いた。
「春ちゃん」
「ひゃぃッ!?」
驚いたのと、あせって返事をしたせいで裏返り、変な声が出てしまった。
恥ずかしくて思わず口を覆った俺はこほん、と咳ばらいをして先を促した。
「………俺は、怒ってるよ。」
「…ぁ…………。……うん。…分かってる。」
分かってる。分かってたけど。
_____やっぱり、また拒絶されるのは───怖い。
「………分かってない。春ちゃんは、全然ッ…!」
心臓がぎゅう、と誰かに鷲掴みされたように痛い。
息は出来てるのに………死んでしまいそうだ。
「俺が、どれだけ心配したと……っ、」
「………………へ、…?」
優しく、壊れ物を抱くように、抱き寄せられる。
温かい…光汰の腕の中。
「な、なに……なんで…?怒ってるんじゃ…」
「うん…怒ってる。でも、春ちゃんだから…仕方ないかなって。俺が守れなかった、だけだしさ。」
光汰の言っていることが分からない。
怒ってる相手を、普通抱きしめたりするか?俺だからって…何が?だめだ、全く分からない…。
「………春ちゃん。聞いて欲しい、話がある。」
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