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夢。
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誰かに体を強く揺さぶられるのを感じて、俺ははっと目を開いた。
自分を取り巻いていた暗闇は消え去り、代わりに目の前には心配そうな表情でこちらをのぞき込んでいる坂口の顔があった。
「杉野…、だいぶうなされてたけど……大丈夫か?」
「え…ぁ……うん、大丈夫…あれ、俺寝ちゃってた?」
「ああ。もうすぐ時間だし、起こそうかと思ってさ」
柱に掛けてある時計を見るとちょうど部活が終了するぐらいの時間になっていた。
荒くなっていた息を整えて、寝起きの目をこすろうと顔に手をやる。
「へ………俺、泣いて…?」
目じりは自分の涙で濡れていて、慌ててこすると目の周りがひりひりした。
「あっ……ほら、こするから赤くなってるぞ」
坂口が自分の制服の袖で軽く拭ってくれる。
いつの間にか他の生徒は帰り、二人だけになっていた図書室。
礼を言おうと口を開いた時、一つしかないそのドアが勢い良く開いた。
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