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過去。 *坂口side*
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「あ~…。やっと終わったー……」
杉野と大宮が仲良さげに帰ってしまってからずっと無言で残りの作業をしていた俺は、書き終えた日誌と自分の荷物をまとめながら、さっきの出来事を思い出していた。
「……”春ちゃんに何した”、ねぇ…。いやぁ、さすが。愛されてるな~」
ふらふらとした足取りで来客用に置いてあるソファにばふんっ、と勢いよく倒れ込む。
その体制のまましばらくじっとしているとさすがに息が苦しくなってきたので、もぞもぞと動いて仰向けになる。
「あ~ぁ、……うらやまし。」
俺もあんな風になりたかった。
ずっと側に、いたかった。
……認められたかった。
「ははっ…何言ってんだ。俺が、逃げたんだろ」
そう自嘲気味に嗤ってからふと冷めた表情になる。
こっちに来てからは意識して他人に見せないようにしていたこの顔を、今の学校の皆が見たらどう思うだろうか。
また……避けられるようになるだろうか。
「はぁ…………帰るか」
ため息をついて立ち上がり、俺は重い足を引きずりながら遠い昇降口を目指した。
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