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助けてくれたのは。
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「坂、口……?」
路地裏の入り口から現れたのはいつもの笑みを浮かべた坂口だった。
突然の闖入者に男たちの間に動揺が走るが、坂口を見て自分達に分があるとでも踏んだのか、3人組の内の1人が強気に前に進み出た。
「はぁ?お前誰だよ。今俺らお楽しみ中なわけ、見てわかんない?」
「いやぁ~、そうだったんですねぇ。俺には明らかに合意ではなさそうに見えたもので。
気が付かなくてすいませんねぇ……でもまあ。そいつ一応俺の友達なんで、返して貰っていいですかね」
「お前バカ?そんな簡単に返すわけねぇだろ。……大体何だよその笑い方。ムカつくんだけど」
明らかに男たちがイラつき初めているが、そんなことはまるで意に介さずに坂口は答えた。
「よく言われます、それ。まあまあそれは置いといて……これ、何だと思います?」
「………おい、」
「あ、ついでに動画も取ったんで」
「は、ちょっ待てよ!!お前…それどうするつもりだ」
坂口はちょうど俺の顔が映らないアングルから撮られた写真をスマホで見せ、左右に振りながらゆっくりと近付いてくる。
「いや、別にね?俺は今の所これをどうこうするつもりはないんですよ。でもこれ以上そいつを傷つけるようなら、いろいろ考えないといけなくなるかなぁ~、ってね。
……杉野はこの道通らないし、あんたらは明らかに杉野を狙ってた。薬まで用意してさ、本当用意周到というかなんというか……そもそも杉野があんたらみたいなやつらと関わりを持つはずないしな。
俺にはうちのイケメン大型新人君と何か関係があるとしか思えないんだけど?」
「っ!!黙れ!」
図星だったのか、男の一人が語気を荒げ坂口に殴りかかろうとするが他の仲間がそれを止めた。
「っおい…!さすがにバラされたらヤバいだろっ…!」
「部停どころの騒ぎじゃないぞっ!?」
「っ、……チッ…!!」
「…これだけやれば十分だろ、ここは引こうぜ」
「………ああ」
坂口は足早に去っていく男たちにバイバーイ、と手を振って見送ると倒れている俺にすばやく駆け寄った。
「杉野っ……!!大丈夫か!?」
「う……ん…、…坂口……助けてくれてあ…り、がと……」
「……杉野?おい、しっかりしろ杉野!!!!」
坂口の声をどこか遠くに感じながら俺はまた意識を手放した。
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