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移動教室。
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「まぁそう落ち込むなって!大会が終わって一段落したらまた騒がしくなるだろ。それまで、少しの我慢だな~」
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン……
「んぐっ、頭わしゃわしゃするなよっ、…ったく。…あ、そういえば次移動教室だよな?早く行こう」
「ん?あ~…あの教師やたらと時間に厳しいんだよなぁ~。開始時間気にするくらいなら、終わりの時間もちゃんと守れっての」
「いつも授業時間オーバーするよな。次が体育の時とかすごい焦る」
他愛もない会話をしながら坂口と教室へ向かっていると、前方から例のミーティング後らしきバスケ部の集団が歩いてきた。
その中にいた光汰とまともに目が合ってしまい、なんとなく気まずくて俺は少し俯いて光汰の視線から逃れる。
それに気付いているのかいないのか、光汰はそれまで話していたやつに一言断りを入れて俺の方へ走ってきた。
「春ちゃんっ」
「…なんだよ。さっき喋ってた人はもういいのかよ」
「うん。大事な話してた訳じゃないから。それよりごめんね、朝も昼も一緒に居れなくて……今日はちょっと忙しかったんだ」
「……別に。光汰がいなくても生活できるし」
「ええっ、そんなぁ~…。ひどいよ春ちゃ~ん!」
「うるさいっ、揺らすな…ほら坂口。早く行かないと遅刻する」
「え。あ、あぁ…」
俺は冷たくあしらってもなお絡んでくる光汰を引きはがし、戸惑っている坂口の手を引いて再び歩き始めた。
後ろからは光汰の俺を呼ぶ声が聞こえていたが、俺は振り返ることなくその場を後にした。
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