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不調。 *光汰side*
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「大宮っ!!」
「ッ、はい!」
先輩からのパスを受け取ってシュートする。
しかし、不完全な態勢から放たれたボールはネットには入らず、ガコンッ、という音を立ててゴールにぶつかると床へ向かって落下した。
「どうした、珍しいな~。ま、次だ次!」
「はい……。すんません………、っはあぁぁぁぁぁ………」
そう励まして走り去っていく先輩の背中を見つめて大きくため息を吐くと、水分補給のためにコートから少し離れる。
今日はらしくないミスばかりして、先輩方や同級生にも迷惑を掛けてしまっている。
朝と変わらずシュートの決定率は低く、さっきから何本も外してばかりいる。
寝不足の影響だろうか…でもここまで酷いのは初めてだ。
それとも………
「…あれ、」
朝は確かに入れたはずのボトルがない。
何度もエナメルバッグの中を探すが、やはりどこにも見当たらない。
落とした?いやでも、そんなはずは……
「……あ、」
おぼろげな記憶を辿って思い出す。
そういえば、弁当を取り出すために昼に一度外に出してからそのままだ。
「ってことは教室か……」
ミスを連発した上に忘れ物とは、いよいよ自分が情けなくなってくる。
俺はまたため息を吐くと先輩に事情を話し、急いで教室へ向かった。
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