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可愛い義彦さん
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「そういえば、義彦さんって嫌いな食べ物ってある?」
子供っぽい彼のことだから嫌いな食べ物一つや二つ、ありそうな気がするけど…。
ご飯を作っていてそのような残しは一切ないのが、不思議だ。
「な、ない……」
ぶんぶんと首を振りながら答える義彦さんは、どこか嘘っぽい。
俺に隠しごとなんてと少々イラつきながらも、もう少し粘ってみる。
「へぇ…そーなんだ…」
義彦さんって内面はすっごく子供だからありきたりな線で行くと…あの野菜を手にする。
「…ピーマンだな、食べれるぞ?」
俺がアイコンタクトをとると、どや顔をしながらコクッと頷いて言う。
ちっと小さく舌打ちをし、今日は使わないのでもとの食品だなに戻す。
……つまらん。
あれからいくつか子供の嫌いな食べ物は手に取ってみたが、あまり反応はなかった。
だから非常につまらない。これでまた一つ、弱みを握れたと思ったのになと思いながら、キュウリを手にする。
「…っ、そ、それ、今日は使うのか?」
後ろでルンルンしていた義彦さんがおびえたように聞く。
まさか、これって……と思い、にやつくのを抑えながら振り返る。
「そうだよ。サラダに使おうと思ってさ、ダメかな、義彦さん?」
「だ……めじゃない。け、ケンコウテキデ…イイとおもう…」
声を震わせながら、コクコクと機械のように何度もうなずく義彦さんは、頑張っているが見え見えだ。
「そっかぁ」
ははっと笑いながら新たに義彦さんの弱みを見つけて、形勢逆転。
キュウリを嫌がらせ半分に四本買い、何も文句を言わせないようにすぐにその後会計を済ませた。
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