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なんでこの人はいちいち耳元で喋るのっ?!
「オレは可愛くなんかないですっ!!」
兄ちゃんも弘樹も白石さんも、人の事なんだと思ってるの。あ、兄ちゃんは許すけど。
耳元で喋る白石さんを、押し退けようと力を入れてみるけど、この人びくともしないよっ!
優しかったり、強引だったり、白石さんって何者?
兄ちゃん、なんて人と友達なのっ?!
「逃げようとしても無駄だぜ?さっき言っただろ?お前は俺のいいなりだって」
「んっ、もぅ……だからなんでそうなるのっ?!」
耳に触れる白石さんの唇が動くたび、オレの体から力が抜けていく。
誰かに触れられて力が抜けるなんて事、オレの15年間の人生で一度もない。兄ちゃんに触れられてもこんな風にならないのにっ!
「あー、因みに俺は二重人格じゃねぇーからな。強いて言えば、こっちの口悪いのが本来の俺。んで、他のはお外用。お外用の俺はすっげぇーいい子だぜ?」
もう、大人な良い声で喋んないでよっ!!
なんなの、この人のこの色気はっ!!!!
ずっと耳元で喋られて、オレからどんどん力が抜けていく。力は入らないのに電気が走るみたいに、ピリッとした味わった事のない感覚が、オレの体を襲っていく。
「あっ……二重人格じゃないのは分かったけど、いいなりってどういう……」
「星……お前、光が好きだろ?」
?!!!!!!!!!!!
まだ話し始めて10分程度なのに、なんで?
「オレはっ、べ、別に兄ちゃんが好きな訳じゃないですっ!」
「はぁ、図星かよ……」
白石さんは何か呟いたみたいだけど、パニック状態のオレは気づかなかった。
白石さんはオレを真っすぐに見つめる。
あぁ、さっきと一緒だ。
真剣な顔してる。白石さんのアーモンド色の瞳に見つめられると、オレはなぜだか動けなくなるみたい。
「……俺の全部、お前に教えてやるよ」
白石さんがニヤリと笑う。
「あの、でもっ!いいなりと、兄ちゃんと何の関係があ……んっ?!」
オレの質問は最後まで言わせてもらえなかった。
白石さんの唇が、オレの唇を塞いでしまったから。
オレ……
白石さんにキスされてる?!!!!!
「……んっ」
オレのパニック状態の頭はまたも限界をこえて、白石さんの甘い唇を感じながら、フリーズしていった。
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