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煙草を吸い終わる頃だった。
光から電話だ。
『もしもし、ユキちゃん?』
「あ?」
光は昔から俺の事をユキちゃんと呼ぶ。
女みてぇーでイヤだと、高校時代からずっと言ってきたが、直らないから今じゃそのまま。
『もうすぐ家に着くんだけど、ユキちゃん俺の部屋にちゃんといる?』
「あー、今煙草吸って待ってる」
『良かった。せいって帰ってきてる?』
帰ってきてるも何も、さっきまでイチャついてたんだけど。
「帰ってきてんじゃね?さっきただいまーって聞こえたから」
『なら良かった。家、着くから切るねっ』
ブチっ
まーたすぐ電話切りやがった。
光は言いたい事だけ言うと、いつもすぐに電話を切ってしまう癖がある。
ガチャ………
謝る素振りもなく部屋に入ってきた光。
「お待たせ、ユキちゃんっ」
「遅せぇーよ」
「ユキちゃんは、女の子じゃないから待たせても問題ないんだよ?知らないの?あーもう、ユキちゃんはお馬鹿さんだなー?」
「お前さぁ、なんで俺にそんな冷たいワケ?」
「なんでだろう?昔から、ユキちゃんに優しくしたいって思わないんだよねー」
「そりゃ、ありがとさん」
「どーいたしまして。それよりユキちゃん、何しに来たの?家までくるなんて珍しい。高校の時以来じゃない?」
「あ?特に用事はねぇーけど」
「えー、何それ。俺はてっきりユキちゃんが家に来るなんて、何か重大な用事かと思ってた」
「用事がなきゃ、俺はお前の家にもこれねぇーのかよ?」
「うん。それに基本的にユキちゃんと会うのは外じゃん?お互いに、他人を部屋に入れるの嫌いなタイプだし」
「まぁ、確かに」
「……それより、ユキちゃん」
光の声色が変わる。
真剣な顔をして光は俺を覗き込んできた。
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