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4-1 (星side)
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「あの店員さん、すごい親切だったな。カッコ良かったし、俺もあんな大人になりたい」
帰り道、弘樹は嬉しそうに買ったシューズが入っている紙袋を眺めながら歩いている。
「弘樹が?あんな風になるの?」
「だってあの店員さん、すげぇーカッコ良くなかったか?背も高くて笑顔も爽やかで。俺、あの店員さんみたいな男になりたい」
「弘樹、あの人の事よく知らないのに、憧れたの?」
「うん。サッカーやってたって言ってたし、男の俺がみてもカッコ良い人だったから」
やっぱり白石さんって誰が見てもカッコ良いんだなぁ………なんか複雑。
でも白石さんって、あんなふんわり笑えるんだ。オレに笑う時は意地悪そうにニヤリって笑ってたのに。営業スマイルってやつ?
オレ、白石さんの事なんにも知らないな。
ショップ店員だった事も。
サッカーやってた事も。
………当たり前か。
昨日会ったばっかりだもんね。
ん?でも、今日泊まりって言ってなかった?
迎えに行くから待ってろって………。
あの人、本当に何考えてるのっ?!
オレが悶々と考えていたら、いつの間にか家に着いていた。
「俺のシューズ買うのに付き合ってくれてありがとな」
「うん、オレも楽しかったから」
「なら良かった。また来週会おうぜっ」
「うん、またね」
弘樹に家まで送ってもらい、オレは泊まりの準備を始めた。泊まりって弘樹ん家に行くわけじゃないし、何持ってけばいいんだろ……。
とりあえず服?
スマホ?充電器?
財布?
どこに泊まるかもわかんないし。
白石さんの家?
白石さんって実家暮らしなのかな?
それとも1人暮らし?
もしかしてオレ誘拐されるとか?
あの人本当意味わかんないよぉー!!!
夜9時に迎えに来るって言ってたから、お風呂とご飯は家で済ませていこう。
オレは仕事から帰ってきた母さんに、今日は弘樹の家に泊まると嘘をつき、ご飯とお風呂を済ませた。
母さんは、明日はお休みだし夜遅くても、弘樹君の家なら安心ねっと笑って泊まりを許してくれた。
明日は何時に帰ってくるのと母さんに聞かれたけど、そういえば何にも聞いてないや。
「まだわかんない。帰る前に一度連絡入れるようにするね」
母さんごめんね。
オレ、本当は弘樹の所へは行かないんだ……。
母さんへの罪悪感を振り払い、オレは近くのコンビニへと向かった。
コンビニに着いて周りを見渡してみるけど、白石さんらしき姿はなくて。
早く来すぎたかなぁ?
イヤフォンで音楽を聴き、好きな料理漫画が連載されている雑誌を読みながら、オレは白石さんを待つことにした。
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