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こりつにしおりをはさみました!
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こりつ
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——次に目を開けると、そこは見覚えの無い狭い場所で。
見える範囲には自分が寝てるベッドが一つと、ちっちゃいテーブルと椅子が一つ。
後少し見にくいけど、足元の方に短い廊下が見えた。奥に扉があるっぽい。
「ん、ぅ、何だろ、ここ…ん、んん」
起き上がろうとしたら、頭の上でカチャカチャ音がして動けなかった。
手錠かな?…あ、足にもついてる。
「ふん…あれ?ふん、えいっ、えいっ」
あれー?全然取れないや、何でだろ。
暫くガチャガチャ手錠と格闘していると、扉が開く音がした。
ふぅん。あそこは外に繋がってるのか…何てね、カイの真似っこ。似てるかなぁ?
「何にやにやしてんだガキ。状況分かんねぇのか?」
薄っぺらいスーツを着た男が入って来た。
がさがさ煩いビニールが透けて、茶色の瓶と銀色のロゴが見える。
「誰?ここどこ?」
「どっちも教えてやんねぇよ、バーカ」
いきなり馬鹿とか言われて、ムッとなって言い返した。
「馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ。バーカ」
ガッ
「ぃっだ」
頭を多分お酒の瓶で殴られて、俯こうとしたら胸ぐらをつかまれた。
「んだおい。誰にモノ言ってんだ?」
「だ、だから誰ってきいたよ?僕」
パンッ、パンッ「いっ」パンッ「やだっ」
僕に馬乗りになった男が何度もほっぺたを叩いて来て、動かない両手に必死に力を入れた。
「口答えすんじゃねぇよ、ガキ。てめぇいま人質なんだぞ?あ?孤立してんの。分かる?」
こ、りつ。こりつ、えと、こりつって、えと…あ、そうだ、一人ぼっちになる事だ。
「わ、分か、た」
「ならどうすればいいか、分かるよな?」
「…わかんない、よ。どう、するの?」
叩かれるのが嫌で恐る恐る尋ねると、機嫌がよくなったらしい男が僕から降りて、お酒の瓶に手を伸ばす。
「俺の言う通りにして、静かに、大人しくしてればいい。
余計なことしなけりゃ別に俺だって何もしやしねぇよ、めんどくせぇ」
「そっか」
それなら僕にも出来そう。静かに、じーっとしてるだけ。うん。出来そう。
僕は少しだけ色あせた白い天井を見て、ゆっくりと瞼を閉じた。
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